痩せ我慢した顔のウラギンシジミ

ウラギンシジミの食の好みは独特で、食を極めた玄人っぽい。花の蜜は吸わないし樹の蜜も吸わない。鳥や犬の糞に目がなく、たまに日陰の湿った土にも顔を寄せている。人間なら「食の達人」といわれそうだがこれは成チョウに限っての話。幼虫時代はクズの葉などを食草にする。
ウラギンシジミは裏翅がまっ白で、翅の形も印象深い。手許の古い蝶類図鑑が記すのも翅のことばかり。「雌雄の翅型・翅色を異にし、雄は紅褐色、雌は白色、裏面は一様に銀白色で、とくに秋型の翅端は尖る。翅の大きさは開張4.5cmあり、シジミチョウ類でもっとも大型の蝶になる。」
たしかに写真のウラギンシジミは、胴体にくらべてやけに大きな翅を背負っている。内心は翅の重さに喘いでいるくせに、痩せ我慢した顔をこちらに向けているようだ。

