ムラサキツバメのキャッチライト

ムラサキツバメ 東高根森林公園 自然観察広場


意図せずして目に入ったキャッチライト。こんな小さな光の点が被写体の目に入ることで、写真全体が立体的なものに変様し、表情も生き生きと輝きだす。なるほどキャッチライトは凄い。

ムラサキツバメはムラサキシジミとよく似ているが、体型はひと回り大きく、後翅には尻尾(尾状突起)がある。メスの表翅は前翅が紫色に輝き、オスの表翅は全体が光沢を放つ暗紫色のモノトーン。オスの開翔を眼にした者は、誰もがそのシックな光沢に魅せられて、綺麗に撮りたい衝動に駆られるはずだ。

ムラサキツバメは成チョウで越冬し翌年世代交代する。1年に3度、世代交代するらしいが、なぜか秋近くになるまで幼虫や成チョウを見たことがない。東高根森林公園でムラサキツバメが初めて観察されてから、まだ10年と経っていないはずだ。

もともと温暖な土地に生息するため、東京で昆虫少年をやっていた65年前にはまったく見る機会がなく、当時愛用していた『原色日本蝶類図鑑(昭和35年10刷発行)』の写真を眺めているだけだった。その図鑑を今見てみると「九州、四国の全土に産し、本州では山口、広島から記録されるが、大阪付近では未だ発見されない。」と記述している。

地球温暖化によって生息域を北に広げ、半世紀かけて川崎市までやって来たということなのか。もちろん温暖化だけが生息域を広げる条件ではなく、その土地に食草(食樹)がなければならない。昆虫保護活動仲間の友人は、園内のマテバシイに幼虫がいるのを観察している。

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