アカシジミの魅力的ポーズ

アカシジミ 東高根森林公園 古代芝生広場


陽光を浴びた朝露がまだ乾ききらない時間帯、「東高根森林公園」のゼフィルスを探してよく歩いたものだ。入口そばのアジサイ並木、湿生植物園、観察広場、古代芝生広場など園内のほぼ全域の下草や植え込みで何かしら彼らの姿を観察できた。なかでもアカシジミやウラナミアカシジミは比較的棲息数が多く、色も目立つので見つけやすかった。

この写真は古代芝生広場で写したもの。顔のアップを撮るには草露に濡れることを気にしてはいられない。芝生に膝をつき両肘をついて相手の眼の高さになって写さなければならない。まるでポーズをとってくれるように、シロツメクサの葉の先端に止まってくれた。こちらを見据えるような眼の効果も大きいが、それ以上に前脚をそろえたポーズがいっそうリアルな生命感を伝えている。まさにモデルの魅力で見せる写真だ。

「東高根森林公園」では、4,5年前から年ごとにゼフィルスの個体数が減ってきた。毎年「今年もやっぱり少ない」と心配し続けているうちに、今年はとうとう「全種が絶滅してしまったか」と思えるほどの悲惨な状態となってしまった。ちょっと前までは上記の体験が当たりまえにできていたというのに……。13年間、園内のチョウ保護活動を続けてきた者としては、減少がどんな理由であっても忸怩たる思いが湧く。

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