吸蜜中は無警戒なヒメアカタテハ

チョウにとって吸蜜行動は生命維持に不可欠なことだから、つい没頭しすぎて無警戒になる。彼らの顔のアップを撮るなら、この状態にある時が一番簡単だ。東高根森林公園の場合、夏から秋にかけてなら、私は必ず「里山(園内の地域名)」で開花しているヒヨドリバナをチェックする。この花はチョウにとって強い魅力があり、シジミ、セセリ、タテハ、アゲハ類など、多種類のチョウが吸蜜にやってくる。
あるときベニシジミが飛来してきてヒヨドリバナにとまった。私は思いっきり接近して顔の前にレンズを向けようとしたのだが、すでに知恵者がここにいた。アズチグモがベニシジミの訪花を予測していて私よりも一瞬早く頭部に喰らい付いてしまったのだ。もうこうなってしまったら、この場は彼女に譲るしかない。彼女の背には1/4ほどしかない体形の赤褐色のオスがしがみついていた。


